飲食業のM&Aや譲渡が盛んに行われている理由の解説

飲食業の世界ではM&Aや事業や店舗の譲渡は日常茶飯事といってもいいほど行われています。その理由はいくつかあります。第一に挙げられるのが店舗展開の仕方です。多くの飲食店は、自社の所有地に店舗を構えるのではなく、賃貸にテナントとして入る形式を取ります。そのため、仮に事業運営がうまく行かず撤退する場合には、原状復帰させてから家主に返還しなければいけません。賃貸とはいえ、什器や設備一式をそろえるのは店側ですから、かなりの額の投資になります。もし居抜きで安く手に入るのであれば、次に店舗を始めたい事業者にとってはまたとないチャンスです。第2の理由として、集客の問題があります。店舗側が求める人の流れというのは基本的にはそうそう変わりません。そのため、立地が合えば同じ場所に出店したいと考える事業者が多いのです。

居抜きで借りられる物件はあまり多くないです

賃貸物件のうち、設備や什器を一式揃えた状態で借りられる居抜きの形式で貸している物件というのは、あまりありません。家主側からすると、居ぬきでの賃貸だと借り手の範囲が固定されてしまって、今の借り手が退去した後に次の借り手を探すのに不利だからです。しかし、飲食業を営む側からすると、設備に投資する金額はかなりのものになります。この初期投資が足かせとなって、お店は繁昌しているのに借金が返せずに行き詰るという例もあります。そこで、このような事業投資を極力抑えるために注目されているのが、M&Aです。これは事業を丸ごと買収する方法もあれば、ある店舗を譲渡してもらう方法もあります。そのどちらにも大きなメリットがあります。まず、同業の場合は、設備を再利用出来る可能性が高いことです。また、従業員の募集もしなくていいのも入れ替わりの激しいこの業界にとっては魅力的です。

店舗を出すのに適した場所はどこも一緒

もうひとつのポイントが、飲食業の場合、出している食べ物の種類の違いによって、出店場所が大きく変わることがない、という点があげられます。つまり、うどん屋であってもフレンチレストランであっても、集客の面では似たような立地が好ましいという事です。もちろん例外はありますが、ほとんどの場合、お店は人通りの多い場所、繁華街や幹線道路沿いに展開しています。もし、その場所が手に入るのであれば、店舗運営の方法次第で充分に儲かるはずなのです。しかし、目を付けた場所には既に他のお店が立っていて、飽和状態の場合もあります。こんな時に、目的の立地に店を構えている会社をM&Aで買収したり店舗譲渡を受けたり出来れば、出店の目的を達成することが容易に出来るのです。このような事情があって、この業界においては、M&Aや譲渡が盛んに行われているのです。